たまには

真面目にニュース記事をとりあげようかなぁ。
2004年、9月24日付けの日刊スポーツより。

表題:性行為禁止条例に、石原知事が“待った”
東京都の「青少年の性行動について考える委員会」で、中学生以下の性行為を都条例で禁止すべきだとの意見が出たことについて、石原慎太郎知事は24日の定例会見で「中学生のセックスが好ましくないのは分かるが、(法規制は)いかがなものか」と述べ、禁止する考えはないことを明らかにした。都庁内には、セックス禁止ではなく、中学生以下が安易な性行動をしないよう、保護者に努力義務を課す規定を都青少年健全育成条例に設けるべきだとの意見がある。
http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-040924-0016.html

…(´・д・`)
またしょーもないものを発見。さらにデイリースポーツ(2004年9月22日)からの引用になりますが

都内の教師らが2002年に実施した調査では、中学3年の性交経験率は男子6・8%、女子8・7%。1999年の調査より男子は1・5ポイント、女子は5・4ポイント増えた。
http://www.daily.co.jp/society/2004/09/22/144024.shtml

というのを受けての動きみたいですね(条例化)
うーん。
別にそんなもの制定しなくていーんじゃない?ってのが正直なところなわけですが。ヤリたい盛りの血気盛んな少年少女(主に少年)対象に条例を作ったところで効果なんてないことは火を見るより明らかなわけで…。あれですか、保健体育の授業で「セックスは都の条例で禁止されているので16歳まではやめましょう(条例は15歳以下を対象にしたもの)」って教えるようになるんですかね?18歳未満だとエロ本は売らないけど、16歳になったらセックスしていいよ?ちゃんちゃら可笑しい。20歳の誕生日が酒とタバコの解禁日になると同様に、16歳の誕生日はセックス解禁日になるんですね。やっほぅ。
むしろ学校で積極的に性行為についての知識を教えるほうが絶対にいい。子供が欲しくないならば避妊する!避妊は一方だけの希望だけでするものじゃない!性感染症ってものがあるんだからどうしてもヤルなら体(特に局部)は清潔に!コンドームが一番手軽な避妊・性感染症対策なんだから正しい装着方法はこうだ!などなど。その後の人生で役に立ちそうな内容ばかりを盛り込んだ性教育。四十八手を教えろとまではいいませんが、とりあえず「ヤルならヤルで、自分たちがなにをやろうとしているのか。それにはどういうリスクが付きまとって、どうすればリスクは減らせるのか」ということは徹底的に叩き込んだほうがいいと思いますけどね。もちろん「リスクは減らせるが、ゼロにはならない。よって本当に自分の人生と相手の人生に責任が持てるようになるまでは自重するのが好ましい」ということも盛り込んでね。
性教育を具体的に行うと、実践したいという衝動が出てくる」とか言い人もいますが、市中に出回ってるエロ本から余計×間違った知識を吸収したお子様がその知識をもとにしてセックスするほうがよっぽど危険ではないですかな。例えばアメリカですが、見聞をもとに書けば、エロ本の販売は酒と同等くらいに規制されています。でも、同時に公教育の段階でそれらに対する正確な知識を生徒に与えます。
基本姿勢として「年齢確認もせずに売る方が悪い」ですから、法に違反した『事業者に』は重い罰則が課せられています(アルコールの場合、一発で営業停止処分までいく可能性も)。その一方、学校における性教育はかなり具体的かつ小学5年生くらいから徐々に始まります。(もちろん州や地区、先生の教育方針によって大きく変わるんですが)。なんにせよ、間違っているイメージを伝えるものをシャットアウトしつつ、正確に情報を伝えようという努力がなされています。同時に「性行為は自重するべきだろう」というメッセージも織り交ぜるんですけどね。
でまぁ、これに対しては「そうだと言っても、アメリカでは性犯罪、年少時のセックス率は日本より高いじゃないか」というような反論が予想されます。しかし再反をするならば、一つは、各州および自治体によってそれらの統計が違いすぎるので全体の数字・もしくは極端な地域の数字を持ち出されてもその実像を語ることはできません。また日本の数字をそのまま鵜呑みにしても、それは実情とは大きな錯誤があるでしょう(性を秘匿する国民性というか民族性由来)。また社会の階層性や街の構造など、そもそも前提条件が異なるということを挙げていけば、この定番の反論を崩すことは容易です。
少々横道にずれましたが、青少年によるセックスを本格的な社会問題としてとらえたいならば、都は①正しい性教育を充実させ②性を扱う事業者(書店、ホテル、ビデオ屋)への規制を強めるべきでしょうね。そもそも罪がなく広まったものを無理やりお上の力で収束させようったってどうにもならんでしょうに。規制ではなくコントロールと自制を。