1人暮らしを始めたばかりの友人と食費について話すことがありました。自然、「あの店は安い」「あの店は高い」という流れになったのですが、卵についてはどうにも話が合いません。問題はつまり「10個で100円の卵を買うか」という至極どうでもいいことなのですが、普段から卵には250円くらい投じている私としては100円の卵は買わないわけです。だって卵ですよ、卵。貴重なタンパク源じゃないですか。毎日に近いペースで食べるじゃないですか。生で食べるじゃないですか!というわけで卵は新鮮で、カラザがしっかり残っていて、水っぽくないものを食べたいから高い物を買います。反対に嗜好品である(とみなしている)肉は安いものを求めます。賞味期限間近だとか、売れ残りだとか、内臓だとか、そういうの。肉から得られる栄養は同じ値段だして他のものから余裕で得られる(タンパクなら大豆でもいいわけだし)けど卵1個から得られる栄養を同じ30円で代替するのは難しい。どうせ代替できないならより美味しくて安心(な気がする)ものを食べたいのが人情。
…と、もっともらしい論理を繰り出しましたが、加工物であるベーコンとかソーセージとかにはお金を出します。添加物嫌い(てゆーか添加物が無駄にコストを増やしている気がするのは気のせいですか?)。もちろん安い鶏肉=薬漬けブロイラーだってわかってるんですけど、とりあえず目には見えないから無視。原産地表記が無くても無視。即物的に目に見える情報だけが判断基準。あと魚も養殖は基本的に買わないなぁ。んで新鮮なものを買うなぁ。野菜も農薬たっぷり・中国産!って雰囲気(値段)のものよりは、低農薬・国産って書いてあるのを買うなぁ。消費者として賢いんだかバカなんだか。ただこの辺の判断基準は親の背中を見て覚えた気がします。違うのは、親は肉にもちゃんと神経を使うところですけど、学生さんはお金が無いので肉以外のところに気を使います。
まぁ、言ってしまえば♂は体内に毒物を蓄積しても次代にあまり影響を与えないからいいんですけどね(精子が減るとか傷つくってのと食物による毒物蓄積が深い相関にあるのかなぁ。まぁ精子が減る分には次代に影響があるとかいう問題でないし)。気をつけなきゃいけないのは、むしろ体内で子供を育んだり母乳を与える女性なわけで。
日本の食料自給率が急激に低下したのは社会全体として豊かになって「作るより買う方がいいじゃん」という意識を人々が持ち始めたから。同時に政府も減反を推進し、関税を引き下げ、農家を圧迫するような政策を取り続けた。国策として自給率の低下が問題なのは、輸入が止まったときの混乱もさることながら、輸入してくるものへの監視が不可能だからです。もちろん国内で生産しないから大地が農薬にまみれにくいし、塩害が問題にならないというメリットもあるんでしょうが、その対価は「食物への不信感」という生物にとっては根源的な問題です。
また、そもそも食料自給が不可能なまでに人口が増えてしまっているのがまずい。少し考えてみれば、こんな国土面積に1億2000万人を永劫養う力があるわけがない(地質的にも)。しかも肉を食べるし(1kgの肉を作るのに必要な植物は豚なら5kg、牛なら7kgくらいです)、平成の口減らしでもしなけりゃやっていけません。もちろん減らされる側に回りたい人間なんて皆無だからこんな政策はとれませんが。
あと、少子化が経済に与える悪影響を試算するのもいいンですが、長期的にみたときに人口減少と経済減少が釣り合えば生活レベルを下げずに人口減少を図れるはずです。さて、それが可能ならば、それは本当にイケナイことなんでしょうか?人口が6000万人になった日本の経済規模が250兆円になるならば、それは人口でみたとき身の丈にあった経済に「おさまった」ということにはならないのでしょうかね。誰もこういうことを言わず、ただただ少子化がいけないとしか主張しないから不思議です。