便利な説明要素

経営にまつわる勉強をしていると。
便利な用語って沢山出てくる。
やれ知識創造組織だ、やれマトリックス組織だ、やれ選択と集中だ、やれコアコンピタンスだ。
どうにもその言葉自体が便利すぎて
「あの会社が成功した理由?それはマトリックス組織が有効に機能してるからさ」
でなんとなく説明した気になれてしまう。
同様に「選択と集中せねばならない」、「知識創造組織なら大丈夫」と。まぁたしかにその成功の理由となっているのかもしれないんだけど、なんでそうなったのかとか、どうやったらそうなるのかとか。その辺が分からないと学問的にも実践的にも無意味なんだよなー…と思うとどうやってケーススタディなんて書いたもんかとひたすらに悩む。
かといって、組織が強くて製品が強くて市場に恵まれてたから勝ちました!じゃ説明になってないし。具体的事例だけ取り上げると「それ、特殊例じゃね?」と言われ、普遍的過ぎることを言うと「それ、何言ってるかわかんなくね?」と突っ込まれる。難儀。
結局、マッチポンプ式に「こういう要因かもしれないです→やっぱり違いました、じゃあこれかもしれませんでした→やっぱり違いました、ちゃうねんこれやんねん→違います、…じゃあ、きっとコレです」っつー反論抹殺型がやりやすいのかなぁ。
A→B→C→Dの繋がりを説明できるだけでもとりあえず十分らしいんだが、なにしろポケットが少なすぎてなぁという。
社会学を専攻してる人間共通の悩みなのかもしれないけど、なんかこう、Aって事例で成功してて、Bって事例で成功してて、Cって事例で成功してて…っつー帰納的な考え方って上手くいかない。蓋然的に正しいってだけだし。でも蓋然的な正しさしか結局追求できねーんではないかと、再度証明が不可能な組織運営だとか社会的現象なんかに関しては思ったり。うーんうーん。