真面目な話

仕事か学業の上でしか真面目な話はありませんが。

で、けふはゼミでして。
相変わらずA.チャンドラーの『経営者の時代』を読み進めて。

各章ごとの内容に沿って要旨と小論文を1本ずつ作る、というMBAの経営史の授業と同じ方式なんだけど。師いわく「お前ら文系なんだからアカデミックな文章書けなかったら価値がないんだよ!」だから我々は毎週ネタを捻り出す訓練をしてるわけで。

しかしまぁ。

いい加減、ネタが枯渇してまいりました。

集約・大量処理・大量流通・大量販売でキャッシュを生み出す。それをサイクルとして確立するためには管理組織が不可欠で、最大の参入障壁は確立された管理組織だ!

というのがひとつ。

企業は逆境に対応するためにのみ変革を行う!
誰も「今をよりよく」しようとしてなんて動かない!
動くときは「今がヤバイ」というときだけだ!

というのがひとつ。

結局この二本柱…。

論旨として、人智の関与する余地が無い環境決定論だから、
「人間の可能性は無限大!」
という人間賛歌大好きな身としては色々悩ましい。

それなら「環境決定という前提に矛盾を見出して突付け!」と師は仰るんですが。そして、毎度毎度試みるんだけど、なかなか。だいたい、チンケな大学生が突付いて崩れるような話だったら名著として残ってません。

んで今朝も結局朝4時半くらいに煮詰まったから腕を組みながら大学周辺を散歩して、どうにかチャンドラーの前提が崩れないか色々悩んでたんだけど難儀。

「こういうシチュエーションならこうすればいいじゃないか!」
みたいな論点は毎回考え付くんだけど、
背景としてそれがとれなかった理由まで考えると
「あー確かに俺も経営者だったらその手はとらんわ」
というループに陥ることが多い。



ケースを読んで、「こいつは無能だぜー!」
と突付くことは確かに簡単なんだけど

じゃあお前がその場に居たらそれ以上の手が打てたか
っていう問題になってきて。

制約条件考えたら、確かにそうなるよなぁ。

やっぱり環境が全てを左右するのか…。


キーッ!(発狂)



そんなグルグルの中で最近思うのは、
自分が仮に経営者だった場合、
正面から堂々とライバルと争おう!
なんてことは全く考えないだろうなぁということ。

自由競争とか、公正な競争とか、いいものとされているけど。むしろそう思うように中学生くらいから仕込まれるんだけど。実際に生き残りを競ってるようなシチュエーションだったらそんな騎士道精神などクソ食らえって思うな。

そりゃ談合もしますわな。
価格はなるべく高く、市場の原理が働かないように調整かけようとする。競争なんてやって業界全体の利益水準が低くなってたまるか。

もちろん、それが不正である場合は絶対に不可なんだけど。

ルールは守らないといけない。
でも、ルールを作る側に回ろうとはする。
でもそもそもルール制定者になったら、ルールを作る側に誰も入って来れないようにルールを作るだろうし。

業界標準』を作る側に回る。
MS、インテルIBMらへんがそうであるように。

そう考えると日本企業ってなかなかそういう方向には行かないもんだなぁ。ソニーなんて標準を作ろうとして失敗してる典型例にされることも多いし。
何が下手糞なんだろう。
(成功してる例もあるんだろうが)

ここで「日本人の文化として〜」とか「外人はガキの頃からディベートをしてて〜」とかってオチにしてもいいんだけど。
それだとどうにも説明のつかない要因がある気がする。
腑に落ちない。
なんだろう。